イングランド銀行のデジタルポンド懐疑論

1.47K
イングランド銀行のデジタルポンド懐疑論

イングランド銀行のデジタルポンドに対する慎重姿勢

アンドリュー・ベイリー総裁が「確信が持てない」と述べた小売用デジタルポンドについて、その背景を分析します。単なる官僚的な慎重さではなく、価値提案の弱さを見極める見本とも言える姿勢です。

卸売型vs小売型:2種類のCBDC

銀行間取引向けの卸売型は順調に進展しています。決済効率化や24時間利用可能性など、実際の問題を解決するためです。しかし小売型は?多くの消費者にとって存在しない問題を解決しようとしています。

ブリットコインの3つの構造的欠陥

  1. プライバシーのパラドックス:政府発行のデジタル監視ツールへの不信感
  2. 銀行システム不安定化の懸念:危機時に預金が中央銀行に流出する可能性
  3. 解決すべき問題がない:既存システムで十分な機能を提供

専門家としての結論

金融システムを日々分析する者として評価すると:

  • 卸売型CBDC:8/10
  • 小売型CBDC:3/10(甘めの評価です)

イングランド銀行の慎重姿勢は、技術的「革新」すべてが採用に値するわけではないという認識なのです。

ColdChartist

いいね40.22K ファン2.09K
オーパラス